果実堂の人、ひと、ヒト20『岩永里枝サブリーダー(工場管理)』
一昨年の果実堂の忘年会のことです。ステージでは賑やかなバンド演奏が始まり、若手社員が大いに盛り上がっている時に、後方の席で一人ぽつんと座っている社員がいました。
工場管理部サブリーダーの岩永里枝さんです。
前日、彼女は胃がんであることが告げられていたのです。
岩永さんは2010年11月にパートとして入社しました。果実堂の工場がまだ西原村の築40年の小さな縫製工場を間借りしていた頃です。
「仕事も覚えてない入社したての頃、子供が4人とも結膜炎になって1カ月半も休むことになりました」
「もうクビだなと思って会社に戻ったら逆に温かく迎えいれてくれました」
「そのうちやらされている仕事から、やりがいのある仕事に変わっていきました」と岩永さんは当時を振り返って言います。
努力家の彼女は、その後、準社員を経て正社員となり、2017年にはサブリーダーに昇格しました。
そんな矢先のガン宣告でした。
胃の9割を切り取る大手術は7時間にも及びましたが子供の顔を思い浮かべて必死に耐えました。
退院した彼女は「会社に恩返しをしてないままで死ねません」と言って社長を号泣させました。
術後から1年、すっかり元気になった岩永サブリーダーは今日も工場の第一線でカイゼンに取り組んでいます。
(写真の青い帽子が岩永サブリーダー)